JMCA 日本メディカルライター協会 > PUBLICATION MANAGEMENT 意見交換会事例集 > 事例集 > 論文作成着手時に著者からメディカルライターへ提示するべきインプットの重要性について
事例集:事例No.34
  • 分類:Sharing data with Medical writers
  • 検討時期:2022年3月 (更新: 2025年2月)
  • トピック
  • 論文作成着手時に著者からメディカルライターへ提示するべきインプットの重要性について
  • 経緯・背景
  • 研究当事者ではないメディカルライター(ライター)が論文ドラフトを作成する際には、論文の方向性や論旨について著者からライターに明確に提示する必要がある。これが不十分な場合、ライターが著者の意向を十分に理解できないまま作業が進み、追加の作業ややり直しの作業が発生し、結果的にタイムラインが遅延してしまうことがある。ライティングエージェンシーにとっては、著者からどの程度正確な情報が得られるか、得られる情報に過不足がないかがプロジェクト進捗や必要な工数に影響するため、著者から正確かつ十分なインプットを得ることが重要な課題である。
  • 討議内容
  • ・ライターが論文ドラフト作成に着手する際に、著者または製薬企業担当者からのインプットをどのように提供すべきか
    ・著者から必要なインプットを得るために、ライター側(ライティングエージェンシーなど)や製薬企業担当者側で工夫していることはあるか
  • 論点及びほかの選択肢
  • ・データの解釈や骨子の作成は著者の責任であり、ライターは共著者とならない限りは著者に代わってドラフトを作成する立場であるという前提について、ライター側からキックオフ会議や事前打ち合わせ時に明確にし、製薬企業担当者や著者に理解を仰ぐ。その際、ICMJE著者資格要件を提示しながら説明するとよい。
    ・ライターは「研究の当事者や当該疾患領域の専門家」ではなく「ライティングのエキスパート」である点が、製薬企業担当者や著者サイドに十分に理解されていないことがある。Publication Managerやライティングエージェンシーからこの点を共有し、役割の明確化をしておくことは有用かもしれない。
    ・エージェンシー、ライター側から著者や製薬企業担当者に骨子案の準備を依頼する際に、ライティングにあたってライターが必要とする(求める)情報を明確にしたテンプレートを提供する。