- テーマ
- メディカルコミュニケーターのための統計学の基礎
-研究デザインと統計解析の基本を理解しよう(6回シリーズ)
- 日時
- 2026年7月~2026年10月
- 形式
- オンライン(Zoomウェビナー)
臨床試験の最終ゴールは試験結果を世の中に公表することで,ここで中心的役割を果たすのがメディカルライター・コミュニケーターである。メディカルライター・コミュニケーターの重要な役割は,試験結果を正しく理解し,情報の受け手(読者)にわかりやすく伝えることで,このことは,臨床試験を取り巻く環境変化が極めて大きい昨今においても,当面大きく変化することはないと予想する。メディカルライター・コミュニケーターが役割を適切に果たすためには,関連する領域の医科学的な知識やライティング技術を習得するだけでなく,生物統計学についてもある程度基礎を理解しておく必要がある。生物統計学は,試験で収集した有効性・安全性等のデータを評価する際,バイアス(偏り)のない結論を導くために有用な学問の一つである。
● 基本的な臨床研究・試験デザインを理解する。
● 妥当な試験設計に必要とされる要素について,基本的な知識を習得する。
● 臨床研究・試験で比較的よく用いられる解析手法の原理を理解する。
● 統計解析のピットフォールや結果を解釈・報告する際の留意点を理解する。
製薬企業,CROのメディカルアフェアーズ部門で研究立案,論文作成等に関与する方,Publication Writer/Editor,Health Communicationに従事する方
(上記以外の業務に従事している方でもご参加可能です)
2026年7月17日(金)13:00~14:30
● 臨床研究・試験の方法やデザインは,主に設定する研究課題や臨床仮説に基づいて,エビデンスとしてどのようなデータ(情報)を収集するべきかによって決定される。メディカルコミュニケーターが理解しておくべき基本的な臨床研究・試験デザインについて,具体的な適用事例を含めて概要を説明していただく。
講師:上村鋼平
(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 准教授)
2026年7月17日(金)14:45~16:15
● 臨床研究・試験の結果を正しく報告するには,少なくとも臨床試験の基本要素を理解しておく必要がある。これらには,バイアス・ばらつき・一般化可能性,ランダム化の目的や手法,エンドポイントの設定等,質の高い臨床試験を計画する際に必要なさまざまな要素が含まれる。本講では,これらの説明に加えて,優越性・非劣性・同等性の検証方法,さらには近年注目が集まっている適応的(アダプティブ)デザインの特徴や実施時のポイントについてもご講義いただく。
講師:上村鋼平
(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 准教授)
2026年9月2日(水)13:00~15:00
● 臨床試験の結果を公表論文や総括報告書としてまとめる際に,最低限理解しておくべき統計解析の基礎を2回にわたってご講義いただく。主な内容は以下のとおり。
— 記述統計と推測統計
— 効果の推測と統計学的仮説検定
— 検証的解析と探索的解析
講師:大庭幸治
(東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授)
募集開始までしばらくお待ちください。
2026年9月3日(木)13:00~15:00
— 検定の多重性とその対処
— サブグループ解析の目的と注意点
— 共変量調整
講師:大庭幸治
(東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授)
募集開始までしばらくお待ちください。
2026年9月18日(金)13:00~15:00
● 生存時間データの統計解析
— 臨床研究・試験で評価されるアウトカムデータの種類は,主として連続型データ,カテゴリ型データ,生存時間データに分類され,統計解析では,各データの特性に適した手法を用いる必要がある。生存時間データは,特定の疾患罹患や死亡など,関心のあるイベントが発生するまでの時間をアウトカムとするデータである。イベントの発生までに長期間の追跡を要する場合には、追跡不能や調査終了が原因で,実際のイベント発生時間が観測できない打ち切りと呼ばれる状態を伴う可能性があるという特徴がある。本講義では,がんの臨床研究等で頻出する生存時間データについて,その定義と特徴,代表的な解析方法についてご説明いただく。
講師:長島健悟
(慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 生物統計部門 特任准教授)
募集開始までしばらくお待ちください。
2026年10月2日(金)13:00~15:00
● 経時測定データの統計解析
— 臨床研究・試験では,患者の症状やバイオマーカー・各種検査を経時的に複数時点で測定し,それらのデータに基づいて治療効果を評価することが多い。このような「経時測定データ」 では,患者が途中で来院しなくなる,あるいは副作用で脱落するなどによって,しばしば「欠測」が発生する。データの欠測は,時に試験の結果を歪め,解釈を困難にすることがある。欠測を伴うデータ解析には様々な手法があり、近年では古典的な手法だけではなく、 Mixed-Effects Model for Repeated Measures (MMRM)と呼ばれる方法が臨床研究にもよく用いられるようになってきている。
● 観察研究での交絡の調整
— 対象者に投薬・手術などの介入行為をしないで,関心のある原因(曝露)の影響を調べる研究を観察研究と呼ぶ。観察研究では,研究デザインに伴う制約により,曝露が結果に与える影響を正しく評価できなくなる「交絡」の影響を如何に制御するかが重要である。交絡の調整方法にはデザイン時の調整方法(マッチング等)と解析時の調整方法(層別解析,多変量解析,傾向スコア法等)がある。交絡が生じる条件を正しく理解し,適切な調整方法を用いる必要がある。
● 本講義では,経時測定データの解析で広く用いられるMMRMの原理や性質,適用時の留意点について,また,観察研究での交絡の調整等について事例をもとにご説明いただく。
講師:長島健悟
(慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 生物統計部門)
募集開始までしばらくお待ちください。