第66回American Medical Writers Association Annual Conference
参加報告

アムジェン株式会社 藤井久子 

 American Medical Writers Association(AMWA)は,1940年にメディカルライターをサポートするために設立され,常に幅広い教育プログラム,出版物,ネットワークの機会を提供しています。現在では5,000名を超す会員を抱えるまでに成長しています。第66回年会は,2006年10月26日(木)から10月29日(土)までの4日間,ニュージャージー州のアルバカーキで開催され,参加者は約1,000名で,日本からも約10名が参加しました。

アルバカーキ
アルバカーキ

 AMWAは,単位を取得できるワークショップ,誰でも出席できるオープンセッション,朝食をとりながら特定のトピックスを小グループで気軽に話し合うラウンドテーブル,専門を離れて自由なトピックスを話し合うCoffee & Dessert Klatcheなどで構成されています。今回は95のワークショップ,37のオープンセッション,62のラウンドテーブル,21のCoffee & Dessert Klatcheが用意されました。

 AMWAには認定制度があり,規定の単位をとればcertificateが与えられるため,参加者の多くは単位を取得できるワークショップに登録します。単位取得の必須条件は,課題(nativeレベルで1.5〜6時間必要)の事前提出と3時間のワークショップへの出席です。ワークショップの中にはグループワークや発表が含まれているものもあり,non-nativeにとってはかなりハードなときもありますが,他の参加者とのディスカッションがネットワークを広げるきっかけになることも少なくありません。

 ワークショップよりもっとリラックスした雰囲気でディスカッションできるのがラウンドテーブルです。朝食をとりながらコーディネーターを中心に決められたトピックスについて話し合います。トピックスは,ライターの採用・教育,フリー・ライターのための料金交渉方法,患者向けWebサイトの書き方,医療記事の書き方−良い例/悪い例,難しい人たちとの付き合い方,などいろいろ。大宴会場に円卓(それぞれ10名ずつ)が30個以上並べられ,1時間以上にわたっておしゃべりが響き渡ります。だんだん白熱してくるとみえて,ラウンドテーブルの後半には同じ円卓同士のおしゃべりも大声を出さないと聞こえないほどの騒ぎとなります。私が以前参加した“効率的な翻訳”というトピックでは,参加者の出身国がオランダ,カナダ,ロシア,インド,米国,イングランド,ドイツ,日本と世界各地にわたっていたのには驚きました。翻訳というトピックのせいもあったのでしょうが,AMWAの規模の大きさに改めて感心したことを覚えています。

 第65回から新たに設けられたCoffee & Dessert Klatcheは,朝のラウンドテーブルよりもっとくだけた雰囲気で,夕食後にデザートとコーヒー・紅茶を楽しみながらリーダーを中心に,ボランティア休暇,もし脚本家だったら,ペットの選び方,世界を旅して,といったトピックスを話し合っているようです。残念ながら,私はまだ,このCoffee & Dessert Klatcheに参加したことがないので,今年こそは,ディナーを少し早く切り上げて参加してみようかと考えています。

 AMWAの課題やワークショップの内容はもちろん英語ですが,コンセプトの多くは日本語でのライティングにも通じるところがあります。さらに,AMWAには100近いワークショップ,60を超えるラウンドテーブルをそれぞれリードしていけるだけの優秀な人材が揃っていて,質の高い教育の機会を提供してくれています。まずはcertificateを取るのが目標になると思いますが,可能な限りその後も継続参加して自己啓発し,日本メディカルライター協会の活動に活かしていきたいと考えています。

以上 


第67回のAMWAは10月11日〜13日まで,ジョージア州アトランタで開催されます。
Certificateの詳細,入会方法,第67回年回の案内などはAMWAのサイトを参照ください。
http://www.amwa.org/